50代は、恋愛のラストチャンス
精神年齢はある段階で成長が止まるので気持ちはいつまでも若いんだけど、残酷なことに肉体は確実に衰えていきます。私は今67歳なんだけど、鏡の前で自分のカラダを見ると、もう人前には晒せないと悲しくなります。
メリハリはゼロだし、なんといってもお尻がヤバイ。痩せている方だから尚更、肉が削げて骨っぽくなって、お尻の下の方にはシワができてるじゃないの。元々貧乳なので胸は垂れていてもさほど気にはならないけど、触るとふにゃふにゃで弾力はまったくない。
私の場合、恋愛とセックスはセットなので、脱げるかどうかは重要です。そういう意味で、50代はギリギリ恋愛適齢期だったと今改めて思うのです。十分に衰えてるんだけど、まだそれなりにイケる年齢。あの楽しかったフランス人との恋愛も、別れて既に5年。
出会ったのは50代の半ばだったから、ひと回り年下のフランス人に平気で裸体を晒していた。あんなことはもうできないなぁ。まあ、いつも真っ暗にしていればいいのかもしれないけど、相手の顔やカラダも見たいじゃないね。
肉体が衰えると、下着も変わってきます。驚いちゃうのは、お尻の肉が削げてショーツのお尻部分が余っちゃうこと。なんで〜? なのでお尻をしっかりホールドしてくれる、股上の深いババ臭いショーツになります。
ブラだって、若い頃は4分の3カップのお洒落なのを着けてたけど、今はフルカップで脇下のハミ肉をホールドしなければならない。つまり、上も下も色気のない機能重視のデザインなわけですよ。ああ、情けない。
同じ歳の別のフランス人とも少しの間付き合ったけど、同じ歳の男性って見た目が完全におじいさんなのよねえ。私は美しいものが好きなんだもん。「おじいさんなんて絶対に嫌!」と自分もおばあさんのくせに思うのです。絶対に年下のフランス人がいいんだけど、67歳の女を相手にしてくれるフランス人は流石にいないと思うわ。
だから私としたことが新しい恋愛は諦めている。元カレよ、楽しい思い出をありがとう。恋愛経験が極端に少なかった私も、あのフランス人との6年半があったからこそ気が済んでる。そうか、あいつが私の最後の男かぁ。ま、いいか。
だからこそ50代の女性たちには恋愛を勧めたい。本当にこれがラストチャンスだから、燃えるような恋をしてほしい。私だって50代の頃はまだショーツのお尻部分が余ってなかったし、お洒落なブラを着けていた。
それだけでも脱いだ時に「どうだ!」って見せられるじゃないね。もちろん、これは独身女性に向けた言葉ですから、既婚者は夫と仲良くしてくださいね。50代で不倫にハマって揉めるようなことがあったら目も当てられないから。
私たちは経験するためにこの世に生まれた、なんて言う人がいるけど、経験すると気が済みます。
私の場合はそれがすごく大事で、「夫と別居したからには、恋愛の1つやふたつしなければ気が済まない」と当時思ったことが、実際に恋愛することで消化された感じ。
バカみたいだけど、たった1人の同級生と14歳からずっと付き合って結婚し離婚した私には、それが大事なことだったのよね。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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