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人生のジェットコースター、その後

 住んでいるマンションを次女に追い出されそうになっている私である。何故ここまで次女の感情を拗らせてしまったのかわからぬまま、「とりあえず来春まで待ってくれ」と言って、そのままペンディングになっていた。ところが、数ヶ月何も言ってこなかったので油断していたところに、先日次女が前触れもなくやってきた。別の要件で来たのだが、当然話はマンション売却の話になるわけで。

今、私が住んでいるマンションは元々離婚時の合意書の流れで元夫が用意してくれたものなのだが、タイミングの問題で名義は元夫のものになっていた。彼は私が終生無償で住める場所としてここを買ったわけなのだが、去年の11月に娘2人の名義に変更していた。彼の気持ちとしては、娘たちの名義になっていれば彼が死んだ場合でも安心だろうということだったのだ。それが彼も私も想定外の事態に陥っているというわけだ。

次女の怒りの原因の1つは、今年はたちになる彼女の長女(つまり私の孫)を私のうちに住まわせたことにある。何しろ、孫は高校生の時から度々家を追い出されていたのだ。次女は身ぐるみ剥いで追い出すようなことをするから、孫は私の家に駆け込んでくる。うちが駆け込み寺だ。学校にも行かなくてはいけないし、ほかに行くところもないのだから、私はその都度受け入れて住まわせる。そのことが次女は気に入らないのである。あれはネグレクトだったと思うんだけどねえ。

奇襲をかけて来た次女が一方的に捲し立てるので、「話にならないからもう帰って」と帰したら、翌朝LINEで「損してもいいから自分の持分をすぐに売るから」と言ってきた。こりゃまずいことになった。私は引っ越すことはやぶさかではないのだ。でも私の計画もあるのだから来春まで待ってほしいわけで。どうするかなぁ、と思いながらChatGPTで調べたら、「私は元妻が住み続ける前提で娘たちに名義を移した」と元夫が明確に述べてくれれば私に有利になるということだった。どの道所有権は移っているので売却を止めることはできないが、すぐに追い出されることは避けられるかもしれない。

それで元夫に連絡をした。友だちのグループLINEがあるので連絡はすぐに取れる。「ちょっと相談したいことがあるので会えないかな」と言ったら、「いいけど、大まかな内容を教えて」と言われ、これまでの経緯を説明し会う約束をした。会うのは去年の冬以来だから半年ぶりくらいかな。待ち合わせのカフェには、時間を間違えて1時間も早く着いてしまった。目が悪いから数字を読み間違えるのよね。笑

元夫は色々調べてくれたみたいで、今用意できる書類を用意してくれていた。そして「こんなことになるなんで想像していなかったから、書類を作るときに用途をはっきりと書かなかったんだよ。ごめんな」と言った。そして追い出されている孫のことなども色々相談に乗ってもらった。その後、「カミさんが厳しいんだよ」なんて話も聞かせてくれて、喧嘩別れしたわけじゃないとはいえ、いい関係だと嬉しくなった。

その翌日、今度は長女と話をした。長女のスタンスは、次女と揉めるのは嫌だからそっちで話し合ってということ。そりゃそうだよね。次女と揉めるのは本当に面倒くさいから。でも「パパには、私1人の名義にしておけばよかったのにって言ったのよ。私だけだったら売るなんて考えなかったから」と聞いて、なんだか救われた気がした。そうか、長女だったらそんなことは考えなかったんだ。

元夫には自衛のために一応弁護士に相談だけしてみた方がいいと言われた。用意してくれた書類もそのためのものだった。自分の子供と法律で争うことはしたくないけど、知識だけはつけておきたいと思って市の法律相談センターに予約を入れたけど、なんだかもうそんなことはどうでもよくなった。元夫は何も言わないのに必要な書類を揃えてくれた。長女は自分だったら売るなんて考えなかったと言った。もうそれだけで十分な気がした。私は宝くじを当ててこのマンションを娘から買おうと心に決めた。

やまざきゆりこ


[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ

娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。

墨絵&日本画 梨水
http://risui-sumie.sakura.ne.jp/wp/

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