女友だちを当てにしてはいけない
20年以上お世話になっている50歳の美容師さんが言ってたこと。
美容室って、狭い空間で最低でも1時間はマンツーマンになりますね。それで、彼女はお客さんにプライベートなことを相談されることが多いのだそうです。
そんな中に結婚するかしないか迷っているアラフォー女子が結構いるらしく、女同士で連んでばかりいる女性たちに彼女はいつも忠告するんだって。
「女友だちを当てにしちゃダメよ」。
女同士は気楽だし趣味も合うし、旅行に行くにもご飯を食べに行くにも最高の相手で、気の合う友だちさえいれば男なんていらないって気になりますね。女同士でわちゃわちゃやってるのって、ホント気楽で楽しい。
でも友だちは家族じゃないんですよね。みんな独身のうちは良くても、周りが結婚して家族ができると今まで通りにはいかなくなる。
仮にお互いにずっと独身同士だったとしても、いずれ親の介護など自分を取り巻く環境も変わっていきます。状況が変わると今のように一緒に旅行したり気軽に外出したりできなくなる。
「親は先にいなくなるものだし、友だちを当てにしていると後々孤独になっちゃうよ。結婚するしないは別として、パートナーは持った方がいいよ」と、美容師さんは彼女たちに言うんですって。
因みに美容師さんはバツイチで、小学生のお嬢さん・お母さんとの3人暮らし。
確かに彼女の言う通りかもしれない。周りが結婚すると、世間の「家族の時間」が自分を孤独な気持ちにさせることもあるし、いざという時に友だちが側にいてくれるとは限らない。
気持ちがあっても、一緒に住んでいるわけじゃないから物理的にできないってことがありますよね。
そうなのよ。そもそも私がパートナーが欲しいと思ったきっかけは、東関東大震災だったことを思い出しました。
あのとき、電車が止まって帰れなくなった同僚たちが、通信状況の悪い中、必死に家族と連絡を取り合おうとしていたのに、私を心配してくれる人はいなかった。
それが軽いショックだったのです。で、いざという時に心配してくれる人が欲しいと思ったんだけど、それがどういうわけか、イケメン・長身・フランス人にシフトしちゃった。笑
あのときのショックも「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、最近では女友だちがいればいいって気がしている私。でもどうせまた、地震などの災害があったときには同じことを思うのです。
ひとりでも生きて行けちゃう強さがあるのがネックなのよねえ。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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