片付けられない女
タイトルとは違って、私は片付けられる女です。第一に散らかっている状態が嫌い。掃除は得意ではないので、最低限の掃除で済むようになるべく汚さないように、散らかさないように気をつけて暮らしています。
自分が身を置く空間が美しくないと気持ち悪くて死にそうになっちゃうのよ。なので、普段なら突然来客があっても「どうぞ」と家に上げられます。
ところがです。同居しているJKは片付けられない女の典型。そういや娘2人も部屋が汚かった。足の踏み場がないほど散らかっていて、いくら言っても片付かなかったのよねえ。
私にしてみたら不思議で仕方ない。使ったら片付ける、出したものは元に戻すというだけで散らかることはないと思うんだけど。
観察していると、片付けられない女の特徴が見えてきます。次女(JKのママ)もそうだったけど、とにかくやたらとモノを買うのです。特に服ね。買っても買っても整理整頓しないから自分が何を持っているのかわからなくなる。それで、「着るものがない」と言ってまた買う。これの繰り返しで荷物が増えて余計に片付かなくなる。
JKは少しの荷物だけ持ってうちに来たので、その時にトップスを5〜6枚買ってあげたの。でも、それをきれいにしまわないでぐちゃぐちゃにするから何がどこにあるかわからなくなる。
それでMUJIで棚を買って、洋服屋さんみたいに一目瞭然で場所がわかるように並べ、「この状態をキープしなさい」と言いました。すると概ねキレイを保てる。よしよし。
私は、JKが使える棚がなかったから買ったけど、収納を増やせば片付くと思うのは大間違いです。今ある収納に収まるだけのものを持つと決めることが基本ですよね。
次女が実家にいる頃は、服を増やしては「しまう場所がないから片付けられない」と宣い収納家具を買っていました。でも、すぐにそこがあふれてまた散らかる。また家具を買う。結果、ちっとも片付かず、統一感のない収納家具が増えることになった。
JKの洋服問題は解決したけど、次の課題はあの大量のメイク道具をどうやってしまわせるかだわ。とりあえず、ポーチごと入れられてひとまとめにできるケースを用意するか。
あ、ちょうどいいMUJIのケースがあるからあれを使わせよう。「この中に収める」という境界線がないと220センチのテーブルの上が彼女の化粧道具置き場になっちゃうのよ。
SHEINのようなサイトでモノが安価に手に入るのは、フェアトレードの問題も含めてよろしくないと思う。
一方ではSDGsが叫ばれているのに、他方ではこの手のショップが大盛況という矛盾。そりゃ高校生にはSHEINはありがたい存在だと思う。お洒落をしたい年頃だからね。
でも若い頃からモノの本質を学ぶことは大切で、安いから買ってすぐに飽きてしまうような消費行動が身に付いたら、いずれ本物がなくなって文化は崩壊しちゃう。
片付けられない女を作るのは、結局大量消費の社会かもしれないね。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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