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人生、行き当たりバッチリ。— 起立性調節障害の息子と歩いた、半歩ずつの受験戦記。

気がつけば、最後のコラムから半年以上も経っていた。
理由は、息子の高校受験。いや、ほんとにドタバタだった…。

思えば、小さい頃から体が弱かった息子くん。
季節の変わり目や気圧の変化にはめっぽう弱くて、
喘息で入院したこともある。

体の無理が効く“多動な母”としては、
すぐに体調を崩してしまう彼のことを
「理解してるつもり」ではいたけれど、
本当の意味では、きっとわかっていなかった。

それが、露呈したのが中学に入ってから。
夏前から急激に体調が悪化し、
ほとんどベッドから起き上がれない日が続いた。

最初こそ「大丈夫?」とオロオロしていたが、
そのうちふと、
「これってもしかして、ただサボりたいだけ…?」
そんな考えが頭をよぎる。

ついキツい言葉を投げかけてしまったことも。

でも、友人知人の支えもあって、
信頼できる病院とつながることができ、
診断は「起立性調節障害」。しかもわりと重め。

専門医の言葉が胸に突き刺さった。

「骨折していたら誰でも“怪我してるんだね”とわかる。
キミの場合は見た目には出ないけれど、
骨折してるのと同じなんだよ。」

その時の息子の、ほっとしたような、
なんとも言えない表情。
今でも忘れられない。

この起立性調節障害というやつ、
中学1年で発症しやすく、
回復には個体差が大きい。

一進一退を繰り返し、結局、
ほぼ不登校のまま高校受験に突入。

世の中には通信制の高校もいろいろあるけれど、
彼が選んだのは大学のような単位制の都立高校。
受験を決めたのは中3の10月だった。

体調が安定しない中、
最後まで本当によく頑張ったと思う。

ただ、人気がうなぎ登りの高校で倍率2倍超…。
あえなく、桜は散った。

そして進んだのは、ご縁のあった通信制高校。
結果から言えば、これが大正解だった。

起立性調節障害のご家族の発信でよく目にするのは、
「高校に上がったら嘘みたいに学校に通えるようになった!」という話。

友だちとバカやって、彼女とデートして…
そんな青い春を息子にも送ってほしいと、
どこかでこのような情報にすがっていたかもしれない。

でも、現実はそんなに簡単ではない。
高校に上がった今も、
生活スタイルは中学時代とほぼ同じである。

もし都立に進学してたら、
きっと詰んでたな…と思う。

通信制高校は柔軟だ。
リモートで授業が受けられるし、
アーカイブ視聴で自分のペースでも進められる。

モチベーションを保つのが課題だが、
それぞれにコーチ(担任)がつき
手厚くサポートしてくれるのが本当にありがたい。

息子は息子なりに、
マイペースに日々を送っている。

そんなこんなで、半年ぶりにキャンプに出かけた。
焚き火をぼんやり見つめながら、
この半年を思い返し、なんだか笑ってしまった。

「受験する」と聞いてから
ひとりで大騒ぎしていた自分に。

だって、“理想の展開”とは全然ちがう結果になったけど、
それが結果オーライなんだから。

これ、毎度おなじみの私のパターンなのである。

いつだって行き当たりばっちりなんだから
もっと自分を、息子を信頼していきたいな。

なーんも状況は変わらないのだが、
火の前にいる自分はちょっぴり清々しかった。

さて、次はどこへ行こうか。

おばキャン


[この記事を書いた人]おばキャン(Obachan-camp)

毎月1〜2度のソロキャンを楽しむアラフィー。離婚を機に、仕事仲間(女子)と中学生の息子と職住融合生活。起業して19年目。働く女性のハッピーキャリア&ナチュ婚を支援する学校を主宰している。
ソロキャン活動はtwitterで発信中。@obachan_camp

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