オンナが性に⽬覚めるとき
⼥性として1番開花するのは 60 代だという記事があるそうです。いろんな意味が含まれると思いますが、その 1 つが夜の営みらしい。周りを⾒渡すと、⼀般的に 50〜60 代の夫婦に性⽣活はないことが多いという気がします。私は 67 歳の今でもヤル気満々ですが、残念ながら相⼿がいない(笑)。でも、もし離婚していなかったら、60 代になって夜の営みはなかったと思います。その違いはなんだろう。
住宅事情だけの問題じゃないようだ結婚している時は 40 歳くらいからレスでした。私が 40 歳の時、⻑⼥は 15 歳、次⼥は 13歳の思春期です。当時は⼀⼾建てに住んでいて、夫婦の寝室の隣は次⼥の部屋、その隣が⻑⼥の部屋だったのですが、隣の部屋に娘が寝ていたら、聞こえるんじゃないかと落ち着かなくてできやしないですよね。
なので、たまに夫が求めてきても拒否してた。⽇本の住宅は壁が薄くて、家族のプライバシーを守る構造になっていないことが多い。とはいえ、海外のドラマや映画を⾒ると、状況は対して変わらないような気もする。フランスなんて⽇本より住宅が狭いですからね。それなのに夫婦は平気でイチャイチャするし、⼦供たちもそういうものだという感じで受け⼊れている。この違いは単に⽂化の違いなのだろうか?
⽇本では 50 代の夫婦の 7 割超がセックスレスだそうです。興味深いのは男性の8割が「したい」のに対して、⼥性の 7 割が「したくない」と回答していること。もう少し詳しいデータでは、「したいと思う・たまに思う」は男性の 50 代では 81.2%、60 代では 72.4%、⼥性の場合 50 代では 30.7%、60 代では 18%。そして、夫婦が夜の営みを持たなくなった理由は、⼥性は「⾃分の関⼼の喪失(40%)」、男性は「妻の関⼼の喪失(44%)」なのだそうです。うん、妻側が興味を失っているというのはさもありなん。私も拒否してたからなぁ。
でも、⼀⽅で 70 代以上の 3 割は性を謳歌しているという報告もあり、セックスレスの問題は体より⼼の問題が深く関わっていることがわかります。
夫婦もたまにはラブホに⾏こう
住宅事情は⼤きい。家の中に⼦供がいる状態で性を謳歌することなんてできませんよね。⽇本⼈の場合は特に。そうなると夜の⽣活が夫の性処理みたいになっちゃって、⼦供が起きないようにチャチャッと済ませるようになる。妻にとっては全然気持ちよくないし楽しくない⾏為です。それじゃ嫌いになっちゃうよ。
そもそも⽇本の男性はサービス精神が⾜りないのではないだろうか。私は⽇本⼈男性の経験はほぼ元夫だけなのだけど、欧⽶⼈の皆さまは全体として丁寧な気がします。もちろん⼈によるけど、根底にレディファーストの精神があることが影響しているのかもしれません。ちなみに、時間のない時にチャチャッと済ませることを「クイッキー」というのだと教えてくれたのは元カレでした。
私が 50 代で性に開花したのは、ひとり暮らしで⼈⽬を気にすることなく楽しめたことが⼤きいと思います。元カレは昼間しか来なかったから、常に昼下がりの情事。実に楽しいレクリエーションでした。そう、これって本来は 2 ⼈で楽しむレクリエーションなのですよ。
⼦供が気になって家でできないのなら、思い切って 2 ⼈でラブホに⾏けばいいと思う。⽉に1 度はラブホの⽇と決めて、そこで思い切り発散するとかね。ラブホという特別な環境下で2 ⼈の気分も盛り上がるというもの、多分。もちろん、ラブホじゃなくてシティホテルでもいいですよね。レストランで⾷事をして⽉に 1 度の優雅なホテルステイを楽しむ。⼤⼈のカップルならその⽅がいいかもしれませんね。
⼥性性を取り戻して開花したのが 50 代
冒頭の「60 代で開花する」という話ですが、私の場合は開花したのは 50 代でした。娘たちが家からいなくなりひとり暮らしになったのが 50 代だったから。で、⼀度開花すると元には戻らないので、今でも開きっぱなしです(笑)。でも若い頃みたいにムラムラするのではなく、「チャンスがあればいつでもいただきます」という感じ。
以前にも書いたことがありますが、私は 14 年前に⺟が亡くなるまでは潜在的に⾃分の⼥性性を否定していたんです。⺟は 30 そこそこで離婚した後、妻⼦のある⼈と⻑い間不倫関係でした。
60 代で相⼿の⼈が亡くなるまで何⼗年もその関係が続いていて、私はそれを⾒ているのがとても嫌だったの。相⼿の⼈が亡くなった後、⺟は実家のマンションを売って私の家の近くに引っ越して来たのですが、そこで知り合った男性と仲良くしていてね。その⼈と
は友達以上の関係ではなかったけど、⼀番親しいのが男性というところが⺟らしいと思いました。⺟は死ぬまで⼥だったんです。⺟のそんな部分を嫌悪していたのに、⺟が亡くなったらいきなり⼥性性の蓋がポーンと外れて開花しちゃった。なんで?
⾃分が1番⾯⽩い
今は浮いた話もないし、50 代の頃みたいに積極的に彼⽒を作ろうという気もないけど、いい⼈と出会えたらまた恋愛をするのはやぶさかではないです。もちろんフランス⼈限定ね(笑)。でもそれ以上に、今は画業に夢中になり、⽂筆業を楽しみ、素敵な⼥性の友だちと交流しつつ、お洒落して新しいことを学んで⽇々を楽しんでいます。
私はね、いつもどこかで俯瞰していて、いろいろ含めてまるっと⾃分を⾯⽩がっているんです。「この⼈ったら、次は何をやらかすのかしら」と期待を込めて⾒ているの。67 歳の私はそんな感じです。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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