結婚には向いてないらしいことに今更気づいた
結婚したのは24歳の時。婚約後に好きな人ができたから別れると言われ、すったもんだの挙句に結婚したこともあり、完璧な妻になるためにまずは胃袋をつかもうと料理の腕を磨きました。
それまで料理なんて殆どやったことのなかったので、分厚い料理本を買って、毎日違うものを作り続けて100日。ついに2度目のカレーライスでその挑戦は挫折したんだけどね。
25歳で1人目、27歳で2人目を産むと、今度は完璧な母を目指し、やがて栗原はるみ的カリスマ主婦を目指すようになりました。別に料理研究家になりたかったわけじゃないけど。つい完璧を目指しちゃうタイプなのよ。
で、自分では良妻賢母になるつもりだったんだけど、よく考えたら全部自分のためで、ただイメージした自分に向かっているだけの自己満足だった。結果、家族は置いてきぼりだったのかもしれないと今は思う。
これは性分なんだけど、私は自分に課題を作るのが好きで、いつも何かの課題に向かわずにいられないの。テーマと言ってもよいかもしれない。だから、結婚してるときは「目指せカリスマ主婦」、今は「フランス人しか愛せない女」。笑
でもそれはどこまで行っても外側というか、スタイルというか、要するに自分を鼓舞して課題を達成して満足感を得ようとするもので、私って自分のことしか見ていないんだわ、と今更気づいたわけです。
今ひとり暮らしになって、あまりの快適さに幸福感満載で、自分が結婚には向いていなかったことをひしひしと感じます。もし離婚していなかったら今頃、定年退職した夫と毎日顔を突き合わせているかもしれず、そんなのは考えただけでゾッとする。
今は好きなときに絵を描いて、好きなときに好きなテレビを観て、好きなときに食べるという自分のペースを乱されたくないと思うもん。
でも、週に1度会ってご飯を食べたりイチャイチャしたり旅行に行ったりする相手は欲しいよね。その方が楽しいから。別れたフランス人はそのインターバルが丁度よかったから続いたんだわね。
というわけで、結婚は要らないけど彼氏はいた方がいいというのが今の私なのであります。もちろん、イケメン・長身のフランス人に限る。フランス人しか愛せない女だから。笑
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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