袖振り合うも多生の縁
算命学を教えている友人が、「宿命」は性質・才能・魂の通り道。「運命」は誰と生きていくかであり、その結果広がる世界なのだと教えてくれました。どんな人と出会い、それがどんな風に発展していくかなんて、出会ったときには予想でないけど、だからこそ面白いのですね。
後になって、あの時あの人に紹介してもらわなかったら今の私はない、と思うようなことがあります。親しい友人の何人かは、ある女性を介して知り合ったんだけど、その元の女性とはもうまったくお付き合いがなくて、名前さえすぐには出てこない。その方はご自宅を新築した時に、リビングの雰囲気に合わせて墨絵をオーダーしてくれた方なのです。それなのにプツンと切れてしまった。誰かと知り合うための媒体みたいな役割で登場する人っていますよね。
また、自分の今の人間関係を家系図みたいに辿ってみると、1人の同級生男子に行き着くことがわかります。遠い親戚のこの男子は、私とは幼稚園から中学校まで一緒、元夫はその先の高校・大学まで一緒だったんだけど、個人的な付き合いはまったくないまま大人になりました。
その彼と再会したのは確か中学校の同窓会。編集プロダクションを経営しているというので、「仕事があったら回してねー」と軽く頼んでおいたのです。ほんの軽い気持ちだった。ところが、ある時「コピーライターを探している会社があるんだけど、やってみない?」と連絡が来たのが今の仕事だったわけ。
この会社は私にとって宝のような存在です。社長は私を放し飼いにしてくれて、好きなようにやらせてくれるので、いろいろと新しい仕事をさせてもらいました。お陰でどんどん面白い人たちと知り合い、友だちが増えていった。ある占いによると、私は筋金入りのナンバー2らしいので、こんな風に誰かの下で自由に動ける時が1番能力を発揮できるのです。私を上手に使ってくれる社長よ、ありがとう。
今、この会社から制作室長が引退しようとしています。日本画の作品集を作るのを手伝ってもらって、個人的にもいろいろお世話になった方。出会いがあれば別れもあります。これですっかり切れてしまうとは思えないんだけど、どうなるかなぁ。私の次のプロジェクトも室長にお願いしておこうかなぁ。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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