死後の世界
ウナタレの皆さまは「死後の世界」を信じますか?あるいは、「死後の世界」に触れたことはありますか?
私はあります。しかも三回。目に見えない世界ってものすごく信じているかっていうとそうでもないし、否定してるかって言ったらそういう訳でもない。
でも、母親が亡くなった時に何度も何度も思ったの。「母は幸せだったのかなー」って。生きるのがめちゃくちゃ下手な人だったから。今、思うとそんな母の気持ちをもっと理解してあげられていたら、別の人生があったんじゃないかなとも思う。完全に遅いけどね。
人一倍、愛情深いのに、ちょっと上手くいかなくなるとその場で人間関係を終わりにしちゃうような人。この前まで友達だった人に啖呵切ってる姿を見て、こんな大人にだけはなっちゃいけないって、普通よりも空気を読むようになったのも母の影響かもしれない。
私が中学生の頃に父が会社を辞めて起業してからくらいからかな、母はどんどん壊れていった。階段を駆け下りるようにそれはもう別人になっていった。
苦手な経理を手伝って、本当は外に出て働きたいのに家庭を守るように言われて。もちろん、父も父で家族を養わないといけないプレッシャーで、ものすごいストレスを抱えていたんだと思うけどね。
母は全てを忘れるように毎日、昼間からお酒を飲むようになった。学校から帰ってくると今日は「普通のママ」でいて欲しいと祈るような思いでドアを開けていたのを今でも覚えている。大抵は酩酊状態だったけど。
時折、父を怒らせるともう大変。怒鳴り散らして母や子供にも手を挙げて。家庭の中ではいつも緊張状態だったな。
いろいろ端折ると、その後、私が社会人3年目くらいで両親は離婚。経済力のない母を父は申し分のないくらい支えていたけど、その後、子供たちに迷惑かけたくないと母は再婚。その結婚相手も高次脳障害だったりして、なんかね、もうめちゃくちゃだった。「普通」なんてない訳だから、毎日が悲劇で喜劇。
母の方も肝硬変がこれでもかってくらい悪化して癌になって認知症のような状態だったから真冬の夜道を裸同然で歩いていてお巡りさんに保護されて夜中に呼び出されたり、知り合いから欲しくもない毛皮やら宝石やらを売り付けられてはお金がないと私にそれを売りにきたり(いらないわw)、近所の行きつけのスナックに母にお酒を出さないでくれって頼みに回ったりもして、気づけば20 年くらいはそんな状態が続いていた。
最後のその日は、母と電話が繋がらなくてね。嫌な予感がして家に行ったら、真冬にタンクトップだけで頭から血を流して、1.5倍くらいに顔が紫色に腫れて、泡吹いている姿を発見して救急車を呼んだ。そのあとほぼ意識がないまま3ヶ月後にあの世に逝ってしまった。
ここまで話すと大変だったねーって思われることもあるけど、なんか不思議なんだけど、私たち兄弟、みんな母のことも父のことも大好きなの。渦中は本当に大変だったけど。家族って不思議だよね。
でね、ようやくタイトルの「死後の世界」に。なんか本当に「嫌われ松子の一生」みたいな人生だったから、母は幸せだったのかな、母の人生は私にどんな教科書になっていくんだろう?って、そんな思いから依頼した人生初の「いたこ体験」だった。
とにかく謝りまくる、あの世の母
初のいたこさんと会ったのは忘れもしない目黒雅叙園のラウンジだった。その“いたこ”は花柄のカシュクールワンピースを着てとてもエレガントな女性だった。最初に簡単に自己紹介をし、母と繋がりたいと言ったら、目を瞑り、しばらくすると喋り始めた・・・のだけど、これが驚いた。
「あ〜、ごめん!ホント、ごめん!あんたには本当に迷惑かけっぱなしだったね〜」
・・・え?いたこさん、キャラ変わった?口調がまるでうちの母よ。いたこによると母はとにかく反省しまくってるらしい。自分の生き方を後悔しているらしい。現世でもっと子供たちを守る存在になりたかったのに、それが全くできなかったと。なので、今、あの世に逝ってものすごい修行をしているんだとか。
・・・え?あの世って極楽浄土じゃないんだっけ?苦しみも何にもない幸せな場所かと思ってたけど、死んでも尚、まだ修行するんだ。人間って死んだら終わりじゃないんだ。死んでもずっと成長できるんだ。
生きてる時は自暴自棄になっていた母だけど、でも、あの世に逝ってから努力してるなんてさ、すごいじゃん。
でも、私は、死んでからじゃなく、今、とにかく成長したいと思った。だからって訳じゃないけど、その後、導かれるかのように起業して。まぁ、それなりに頑張ってきたんじゃないかなと思うけど、それって母の采配だったのかな。
その後、合計3回、別の“いたこ”さんに母のことを尋ねる機会を得た。全く違う人よ、なのにみんな冒頭に同じこと言うの。
「お母様、ものすごく謝ってきます!」って。どんだけよ、どんだけ反省してるのよ。ねぇ、後悔先に立たずって知ってた?で、守護霊になれるようずっと修行しているんだそうよ、この12年間、ずっと。
草葉の陰から?見られているのは本当だった
3人目の“いたこ”さん体験は今年の3月だった。母の謝罪から始まり、今も尚、修行中だということは同じだったけど、今回はその続きがあった。頑張りのおかげで今、ランクもだいぶ上の方になってきているという母(ランクがあるんだ)それにはあの世での仲間の存在も大きいんだそう。
でも、時々、やっぱり修行が辛くて「もう、ムリ!」ってなっちゃうらしいんだけど、そんな時に決まって仲間たちが言うんだって、「ほら、娘さんたちを見なさい。みんな、頑張ってるんだから」って。仲間って誰?死んでも尚、ウナタレ的互助会のような存在って大事なんだね・・・と思うと、このウナタレを始めたのも母の采配か?
で、あの世から私たちのことを見ては、本当にそうだ、ってまた頑張れてるんだって。ママ、諦めないよ、って。それでどんどんランクが上がってるんだって。
そして、3人目のいたこさんはこうも母の言葉を伝えてくれた。
「あなたたちは、私とは違うのよ。私は前頭葉が破壊されて愛ある本来の私を失くしていたけど、あなたたちは人生の痛みや辛さを糧にして生きられる。弱さを優しさに変えてその力を人様のために使える存在だから。だから、ママは頑張れるの。あなたたちがまっすぐ生きてるから。」
・・・・・って!!!
えーーーー!?あの世に逝った人のモチベーションになってるの?私たち!?
天国に逝った親に見守られながら生きている、というより、影響し合ってるの?亡くなったら終わり、じゃなく、亡くなっても尚続く、永遠なる魂の成長。そして、ずっとずっと見守り、見守られている。それじゃ、一生懸命生きないわけにいかないじゃん。私の生き方が母に影響し、娘に影響し、そのまた孫に影響していくんだと思うと、気が抜けない。責任重大だ。
ということで、これが私のいたこ体験。
目に見えない世界だからなんとも言えないけど、なんか私にとってはすごく納得のいく話だった。現世も来世も来来世も来来来世もなく・・・ずーっとこの命はつながっているのかも、と思うと、とにかく目の前のことに一生懸命生きることしか幸せの解はないのかもしれないな。
信じるか信じないかは、あなた次第!!
[この記事を書いた人]ウナギタレ子・タレ美(Taleko/Talemi)
加齢応援マガジンUNATALE編集部
姉のタレ子1972年生まれ、妹タレ美1973年生まれの更年期姉妹。
夜な夜な子供部屋で聴いていた「オールナイトニッポン」が今の姉妹の人格形成に影響を与えている。「A面」よりも「B面」、「ゴールデン番組」よりも「タモリ倶楽部」を愛する、根っからの「裏面好き」。SNSには露呈しないウナタレ世代のリアルな叫びを届けたいと日夜、奔走している。
ポリシーは「Your nudge, no tale」(ウナギノタレ)=「理屈こねてないで動こうぜ」