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同級生たち

先日、数年ぶりに大学時代からの友だち12人と忘年会で会いました。大学時代の私はいつも元夫と行動を共にしていたので、友だちといえば彼の大学の同級生を中心としたメンバー。レギュラーメンバーは男子が中心で、そこに私を含めて3人の女子がレギュラーでいるという感じで、何をするにも一緒でした。新しもの好きの面白い連中だったのよ。

夏休みには彼らの両親が持っている山の別荘や大学の保養所がある伊豆へ。冬休みにはスキーに行くのが当時のトレンドだった。普段の週末は湘南にサーフィンに行ったり、朝までポーカーやビリヤードに興じたり、「甘いもの食べに行こうぜ」とお誘いが来て、夜の都心にケーキを食べに行ったり。よくディスコにも行ったなぁ。原宿や渋谷のお店を借り切って騒いだクリスマスパーティーも楽しかった。

そんな感じで遊んでばっかりいたけど、基本的には真面目で頭がキレる人たちだったから、卒業後は家業を継いだ人以外、一流企業のサラリーマンになりました。みんな本当に優秀で、球団を持っている会社の副社長にまでなった人や、radikoの生みの親の大学教授がいたり、外資系の証券会社に勤めた人なんかは40代半ばで一生分のお金が貯まったからと早期リタイヤして、世界中を旅行したりして遊んで暮らしてる。家業を継いだ人たちも事業を大きくして親の代より立派になっています。みんなお金持ちだわ。

彼らと知り合ってからちょうど半世紀。忘年会に来たのは男子7人、女子5人。うち独身は8年前にご主人と死別した女子と私だけ。みんな若い頃は遊んでいたのに案外真面目に添い遂げてるね。偉いえらい。歳の割にはみんな若くて全然変わらないけど、目が悪くなった話とか健康診断の話が出るのはお年頃らしくて笑っちゃう。女子は私以外、定期的に働いている人はいなくて、男子も半数は悠々自適の隠居生活。そりゃそうだよね、もう60代後半だもん。私は自分の食い扶持を稼がなくちゃいけないから生涯現役。そもそも退屈が嫌いな私に隠居生活は無理です。

元夫とも久しぶりに会いました。5年以上ぶりくらいかな。ちょうど向かい合わせの席に座ったから、娘たちのことや孫のことを話しました。実はまた次女のところの娘(19歳)が我が家に転がり込んで来ていて、ちょっと厄介なことがあるのです。彼もその問題を知っていたので、この時ばかりは二親としてじっくり話せた。向こうから切り出してきたから、彼もそのことを話したかったんだと思います。彼とは喧嘩別れしたわけではないので、一切のわだかまりはなく、会えば普通に話せます。

出会ってから別れるまで44年。離婚して11年。長い付き合いだったのに、彼がどんな人だったか思い出せなくなっていたんだけど、暫くぶりに話していたら「ああ、そういえばこんな人だった」と思い出しました。この優しいけどパンチの効かないところが頼りにならなくて物足りなかったんだわ、私。この人と今でも一緒にいたら、私はきっとイライラしただろう。新しい奥さんには大切にされているといいね。 

やまざきゆりこ


[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ

娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。

墨絵&日本画 梨水
http://risui-sumie.sakura.ne.jp/wp/

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