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片付けアドバイザーが考える「防災の備え」(行動編)

能登半島地震の被災地での様子も少し落ち着いてきた1月下旬に、関東地方でも震度4の地震がありました。私はちょうど映画館で映画を観ていて、今ここで大きな地震が来たらどうする?と、一瞬のうちに頭の中で色々シミュレーションしていました。

南海トラフ、東海沖、首都直下型、ここ何年も危ないと言われている関東地方から東海地方に大きな揺れが来ていないことに不安を感じている方も多いのではないでしょうか?いつ起きても不思議はない災害の数々。私たちに出来ることは何でしょう?

前回は備蓄に関することを書かせていただきました。今回は行動編です。

能登半島地震で感じたもう一つの大切なこと

今回地震の起きた能登半島の、特に奥能登と言われる地方はどちらかと言えば地方の田舎町。だからこそ、道路が寸断され支援が届きにくい状況でも住民の皆さんが力を合わせて頑張れていたんじゃないかと思うことが2つあります。

1つは不便な田舎だからこそ普段からの備蓄が出来ていたこと。防災備蓄が出来ていたということではなく、買い物が不便な所なら普段から少し多めに買い物をしていたとか、保存食を自宅で作るのが当たり前とか、冬のこの時期にはどうかわからないけど自分ちの畑で採れた野菜があったりとか、山の水や湧き水の場所を知っていたりとか、普段の暮らしの知恵が備えに直結していたことです。

もう1つはご近所付き合いがちゃんとあること。お隣さんが誰でどんな人なのかをお互いが知っている、なんなら集落全員知り合いとか、何か困ったことがあれば助け合うということが普段の暮らしの中で出来ていることです。

歩いて5分のところにスーパーやコンビニがある都市部に住んでいれば、何でも無くなったらその時に買いに行けばいいや、と思ってしまいがちです。また都会になればなるほど、近所付き合いが希薄で隣にどんな人が住んでいるかも知らないことも多いでしょう。でも、いざという時にあなたを助けてくれるのは備えておいた食料かもしれません。助けてと声を上げた時に見つけてくれるのはご近所さんかもしれません。

地方にこそ残っている日本の昔ながらの暮らし=日常と非常時を分けないフェーズフリーな暮らし、なのではないかと思うのです。

自分が今いる場所がどんな災害に弱いかを知ろう

災害に合うのは自宅にいるときとは限りません。学校で、勤務先で、旅行先で、どんな場所で被災するかはわからないのです。今自分がいる場所がどんな災害に弱いのかをハザードマップを使って調べておきましょう。

おススメは国土交通省のハザードマップポータルサイトです。

全国のハザードマップを調べることが出来、現在地の自治体のハザードマップを開くことが出来ます。地震による津波、大規模火災、大雨による洪水、土砂災害、さまざまな災害がある中で何に気をつければよいかを知っておくことは普段からできる防災の一つです。

家の中の危険に備えよう

大きな地震が来た時に、物が倒れてきたりガラスが割れて怪我をしたり避難経路がふさがれてしまったりすることも考えられます。対策は大丈夫でしょうか?特に無防備な就寝中に地震が起きたら大変です。寝室にはなるべく大きな家具は置かないようにしましょう。

一度部屋の真ん中に座ってグルっと周りを見回してみてください。いま大きな地震が来たら、と考えて危険なものや場所はどこかをチェックしてみてください。大きな家具は固定して、なるべく高いところに重いものを載せないなど対策を考えましょう。すぐに対策が出来なくても、ここが危なそうとわかればそこから離れた場所に逃げることが出来ます。

ご近所付き合いをしよう

自分の家を中心に、両隣とお向かいさんくらいはどんな人が住んでいるのかを知っておきましょう。朝の挨拶、回覧板を回すとき、自治会に入ったり子供会があれば入会したり、地元のお祭りに顔を出してみたり、近所の人と関わる機会はたくさんあるはずです。

また、自治会や近隣の防災会では年に1回の防災訓練も行われます。普段知ることの無い防災の知識や消火器の使い方、避難の仕方、救助の仕方、また避難所のことなどを知る良い機会です。積極的に参加しましょう。

ペットの防災対策は出来ていますか

我が家には犬と猫が1匹ずつ居ます。もし大きな災害が起きた時この子たちをどうする?というのはペットを飼っている多くの人が考えることではないでしょうか?

現状環境省が推奨するペット同行避難は「避難所にペットと一緒に逃げてきてもいいよ」と言うだけのもの。受け入れ先の避難所や自治体にもよるだろうけど、同じ室内で過ごせるわけでもなく、ペット用の食料備蓄がされているところはほぼ皆無であろうと考えられます。自宅にいられない時ペットを連れてどこに避難するか、預け先があるのか、ペット用の食料はどのくらい備蓄しておけばいいのか、ペットを飼っている飼い主さんは責任をもってそれを考えておいてほしいのです。ペットのご飯も水もローリングストック、少し多めに買って消費しながら備蓄もしましょう。

日常に備えを組み込む仕組みを

防災の基本は、自助→共助→公助 と言われています。
まずは自分が助かるのが最優先、その後余力があれば周りを見回して近くの困っている人を助ける。最後に公的な支援で助けてもらう。日頃の意識と行動があなたの命をそして誰かの命を救うことにもなるかもしれません。

大きな災害が起きた時、多くの人は「大変!防災のこと考えなきゃ!」と思います。でも日常が続くとその意識は薄れ、平和な日々が続けばいつの間にか忘れ去られてしまいます。その時だけ「!」と思うのではなく、普段の暮らしの中で意識せずに備えが出来ている状態を持続していけることがとても大事になってくるのです。

災害時の非日常をなるべく日常と変わりなく暮らせる工夫を、想像力を働かせて日頃からの備蓄と行動で備えておきましょう。


[この記事を書いた人]sachi

片づけアドバイザー 今年還暦を迎えたタイミングで4人目の子育てと母の介護から卒業。 やっと戻ってきた自分の時間に、好きなことやりたいことを模索する日々。 好奇心の赴くままに行動する日常をお届けします。

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