「根拠のある自信」で奔放に生きる人
二女が本気で2度目の離婚を考えているらしいのです。今度こそ上手くやっていくかなぁと期待したけど甘かったようで、昨夜ダンナを追い出したそうです(笑)。
彼女は私と違って大変計算ができるオンナでして、法律のこと、補助金のことなど色々調べるのが得意なのよ。その上度胸があるというかなんというか、堂々としている。
今後の住まいについても、6人家族で住んでいる持ち家を売却して自分で家を買った方がいいか、ダンナの名義になっている住宅ローンを引き受けてそのまま住み続けた方がいいか、考え中とのこと。
しかし逞しいわ、二女。だって彼女には3歳から16歳まで3男1女の4人の子どもと犬1匹、猫1匹がいるのよ。それを1人で養いながら家を買うことをまるで恐れていないんだから凄いわ。
彼女がいくら稼いでいるのか知らないけど、産休育休の時期も長かったし、転職してまだ何年も経ってないのよね。それでもちゃんと計算の上に成り立つ根拠があるらしい。彼女は生きる力が強いから、私はまったく心配していないけどね。
住まいを探すにあたっては、地震などのリスクを考えなければならない。それで全国のハザードマップをくまなくチェックして、どこが最も安全か調べたそうです。そしたら、どのハザードマップにも引っかかっていなくて、日本で1番安全そうなのは長岡京なんだって。へえ、そうなんだ。なるほどね、都を決める時は陰陽師の力を借りて、あらゆる意味で良い土地が選ばれるから、本当にそうかもしれないね。
それを聞いたら、なんだか彼女には長岡京がすごく似合う気がして、そんな選択もアリかなと思ってしまいました。今は出社が週2回で、それ以外はリモートです。「もし長岡京に引っ越したら新幹線通勤だな。片道2時間半で往復5時間か。保育園のお迎え間に合うかな」だって。
私も逞しい方だと思うけど、二女には到底叶わないわ。彼女の辞書には「常識」とか「恐れ」の文字がなく、「根拠のない自信」を基に流れに身を任せて生きている私と違って、「根拠のある自信」を柱にアグレッシブに突き進んでいくのが二女なのです。
今38歳だけど、私が彼女の歳のときはまだ自分が何者かもわからず、バカみたいに目指せカリスマ主婦的な生き方をしていたなぁ。
子どもたちは振り回されて大変だけど、そういうのも結果的には人生に深みや彩りを添えるエッセンスになると思うので、逞しい親を持った者の宿命と思って諦めておくれ。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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