JKとの暮らしに疲弊しています
子育ては20年前に終わったはずだったのに、思いがけず高校生の孫娘と暮らすことになり、再び子育て中の私である。20年ぶりの高校生はホント、面倒臭い。慣れてきたようでもあり、全然慣れないようでもあり。
しかしストレスが溜まっていることは事実である。娘とJKはまったく合わないので、JKの心の安定のためにはずっとここに置いておくしかあるまいと覚悟はしていたものの、私のテリトリーを荒らされることで、私自身の心の平穏が乱されている。
何がストレスって、家の中が散らかることである。JKは片付けられない女。脱いだら脱ぎっぱなし、出したら出しっぱなし。私は衣食住の中では住環境を最も大切にしているのに、家の中がJKのモノに占領されている。目に入るものが美しくないと死んでしまうタイプなのに、テーブルの上は化粧品や小物やヘアアイロンまで散乱しているし、床には脱いだままの制服やソックスが放置されている。洗面所に行けば、洗面台には髪の毛が落ちたままだし、鏡は拭いても拭いても何故か汚れる。仕事から帰ってその光景を目にした時の死にそうな気持ちを想像してみてほしい。
娘たちも部屋が汚なかったけど、なんであんな風に洋服を積み上げられるのか理解に苦しむ。
洗濯したものとしていないものがごっちゃになっていて、なにしろ不潔なのよねえ。せめてリビングだけでも汚さないでほしい。なるべく自分で片付けさせたいので、本人が戻るまでは手をつけずにいようと思うけど、その光景を見ているだけで疲弊してしまう。片付けられない女はすぐモノを買うから、状況は悪くなる一方である。
おまけに反抗期なので理由もなく機嫌が悪いことが多く、まともな会話が成立しない。この前も何気なく「今、世界一人口が多い国はどこだか知ってる?」と聞いたら「それ、必要のない会話だから」と遮られてしまった。「必要のない会話なんてないんだよ」「はいはい」こんな感じで、まったくもって腹立たしい。
でも、考えてみたら私も高校生の頃は不機嫌だったかも。祖母とはロクに口を聞かなかったけど、あの時の祖母もこんな気持ちだったのかもしれない。そう思うと順送りか。
さらに肉体的に疲れるのは、JKが夜中の2時、3時まで起きているからだ。何が面白いのか、ずっとTikTokを見ていて、2時半過ぎてからダラダラとお風呂に入る。狭い家なので夜中にガタガタやっていると目が覚めてしまうのよ。以前は11時に寝て7時に起きる生活だったのに、今は起きる時間は30分早くなり、睡眠の質が著しく悪くなった。なので疲れが取れず、日中もいつも眠たい。このままじゃ死ぬな。
私がストレスを抱えている分、怒りの対象が目の前にいない娘は気持ちが落ち着いているらしく、一時は「勉強をしない奴に大学の学費を出す気はない」と鼻息荒く言っていたのに、ここに来てJKと進路について話をしたり、塾の相談に乗ったりしている。
あの二人は離れていた方が幸せということだけは確かなのだ。でも、そうは言っても私も限界を感じるし、どうしたものかねえ。
ああ、こんなはずじゃなかった私の人生。これも天中殺のせいかなぁ。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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