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乙女な熟女たち

阿川佐和子のビジネス婚活

何年か前に、阿川佐和子の結婚(63歳初婚)が報じられたとき、ご本人が週刊文春の連載に書いたという「結婚に至るまでの事情を説明する記事」を読みたくて、バックナンバーを取り寄せた。

内容はだいたいこんな感じ。やや記憶曖昧ですが。

  • 夫となった人(A氏)と知り合ったのは20代後半のとき、友人の知り合いの家にお正月に招かれた
  • ご夫婦+3人のお子さん+犬と猫がいて賑やかで素敵なご家庭だった
  • その後、自分の個展?にご夫婦を招待したが、妻が都合が悪くなり来られず、A氏だけ来てくれた
  • 好意があることを遠回しにA氏に告げられたが、既婚者なので遠回しにお断りした
  • 仕事の相談相手として、その後もA氏との交流が続いた
  • お子さんがある程度大きくなった頃に、A氏が妻と別居
  • 自分の母親のお見舞いに行ってもらうのに、A氏が身内じゃないといろいろ不便なので籍を入れた

「んで?付き合い始めたのはいつなの?」については、あいまいな記述だった気がする。

「お見合い奮闘記」みたいなエッセイ本で散々稼いでおきながら、20代後半からずっと好きな人がいて、その人が既婚者であったことが理由で結婚できなかったのならば、あのエッセイは、一体なんだったんだ。私たちはなにを読まされていたんだ(読んでないけど)。嘘つき。ビジネス婚活?

ビジネス左翼な上野千鶴子

「おひとりさまの老後」が80万部のヒットとなった、社会学者の上野千鶴子が実は結婚していたらしい。
ご自身は都内のタワマンでひとり暮らし。愛車のBMWで夫の暮らす八ヶ岳まで、月に数回通う生活を20年以上も前から続けていたのだとか。

「ビジネス左翼」と書かれていた。裏切られた!というツイートも見かけた。
まあ、言われちゃうよね。世間、総ツッコミ。

向田邦子の恋文

飛行機事故で51歳で亡くなった向田邦子は、生涯独身だったけれど、妻子ある男(別居中)の元へとせっせと通っていた。売れっ子脚本家となり、ハードに仕事をしていた向田邦子の心の支え的存在。たしか病気で働けない男の人だった気がする。
ドラマ化されたとき、向田邦子を山口智子が演じていて、見事にハマってました。

しかし、みんな乙女だなあ。乙女がすぎるよね。そう思わない?

母親に乙女だと罵られた

さて、ついでに私の話。

27歳の結婚適齢期真っ只中、付き合っていた同い年の彼と「結婚を前提とした同棲」を始めた。きっかけは彼の仙台転勤。
両方の親にもきちんと挨拶をして同棲をスタート。

なのに「半年足らずで別れることになっちゃった〜」と母に告げたとき、本気の呆れ顔で言われた。

「あんた、どんだけ乙女なの?」
「私の娘なのに、どうしてそんなに乙女なの?」
「結婚なんて誰としても一緒なのに」

そうねー

おそらく母と私の一番の違いは「漫画読みか否か」じゃないかな。

母は読書家で、好きな女流作家のひとりが向田邦子だったけれど、漫画は一切読まない。
私は母の影響で本も読むけれど、少女漫画も大好き。
好きな男性のタイプは伊集院少尉と真壁俊。(説明不要のウナタレ世代)
そりゃ、夢見がちにもなるわ。
イケメンでぶっきらぼうでケンカが強くてボクシングの選手ってだけでも魅力的なのに、まさか魔界の王子様だったなんて。無いわー。
小学生のときに、あり得ないレベルの男(二次元)に出会ってしまった不幸。

やばい、話戻す。

誰としても一緒なら、結婚なんてわざわざしなくてよくない?
別に子供が欲しいわけでもないし。
27歳のときにそう思って、23年経ったいまも考えが変わらない。

ブランディングのために隠してたのか問題

阿川さんと上野さんはブランディングのために事実を隠していたのか?
そうなのかもしれない。
でも、隠してたことってそんなに悪なんだっけ?
恥ずかしくて言えなかっただけなら可愛いね。

だって言えないよー

お見合いをどれだけ重ねても、どれだけ多くの男性に出会っても、結婚どころか付き合う気にすらなれない理由が、たったひとりの男性に恋焦がれているからだなんて。少女漫画すぎて言えない。

あと、まわりに似たような女友達がいなくて言えない。
だってみんなちゃんと妥協して結婚してるもん。
妥協して手を打った人たちに、夢見がちなこと言えない。心底呆れられそうで。

「子供を持てなかった理由のひとつに、好きになった相手が既婚者だったから、というのもあります」

阿川佐和子がそう書いていて泣けました。大の子供好きなんですって。
わたしは、お見合い奮闘記エッセイにはまったく興味ないんだ。
あなたの20代後半から現在に至るまでの恋愛エッセイが読みたいです。切望。
そしてネトフリで映像化して、脚本・監督は寒竹さんにお願いしたい。

乙女の恋愛成就

昨日の夜、ひとりで映画を観てきた帰りに、ふと思った。

(ある程度)妥協して選んだパートナーと暮らす人生と、パートナー関係にはなれないけど愛する人がいる人生。

どちらが幸せだろう。たぶん私は後者。

妥協して選んだ相手と暮らすも、月日が経つにつれ、互いに心が離れていく。
気持ちが離れた相手と暮らし続けるのは、ひとり暮らしの何百倍も寂しいということを、2度の同棲で嫌というほど味わった。

私の今世は、後者のまま進む気がしている。
だからこそ、阿川佐和子と上野千鶴子が羨ましいし、乙女の恋愛が成就して良かったね〜と、心から祝福したい。ニヤニヤしながら。

来世はお二人みたいになりたい。

鵜呑みちゃんにはなりたくない

「お二人みたいになりたい」で話を終わらせても良かったのだけど、最後にもうひとつだけ思うことを。

この記事を書くにあたり、上野千鶴子のことを批判している記事やツイートを読んだ。動画も見た。

「騙された!」「あなたのせいで人生狂わされた!」とかダサすぎる。

たしかに30代の頃、私の部屋の本棚にも「おひとりさまの老後」があった。
でも、それ以上に「結婚して子供を産むのが女の幸せ論者」の話も散々聞かされてきた。だって自分の母親がそうなんだもの。

両者の意見を聞き、選んだのは自分だ。他人様のせいにするのはダサすぎないか。

親の言ってることも、社会学者の言ってることも、ちゃんと自分の頭で考えないとやばい。自分はどっち派なのだろう?と。

誰かが語るすべての話の最後には「〜知らんけど」がついているくらいのつもりで、聴いたり読んだり取り入れたりしたほうがいい。

「騙してくれてありがとう!」と、自分の選択を全肯定できるように生きたい。

大事なことは、どちらを選ぶかではなく、選んだ方を自分にとっての正解にできるかどうか。

思考停止の鵜呑みちゃんでは、変化の激しい時代をサバイブしていけない。あとまじでださい。ださすぎる。

以上です。

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