
加齢って、味変だったんだわ。 〜『人生折り返し図鑑』読了〜
若さは出汁、加齢は味変
昔は“若さ”って、出汁だったのかもしれない。 それさえあれば、どんなメニューもそれなりに美味しく見えた。
でも今、気づいたの。 加齢って、ただの劣化じゃなかった。味変だったのよ。
甘いばっかりじゃ飽きるし、ピリっとくる人生も意外とクセになる。
…と、赤べこ状態で読了した、高橋奈央さんの『人生折り返し図鑑』。 Amazonランキング第1位、って。そりゃそうよ。全ウナタレ がスタンディングオベーション状態よ。・・・しかも文字が大きいのがいいねぇ〜よっ!ウナタレーサルデザイン!!
「年齢確認」赤間真理子さんの言葉に震える
いやぁ〜、グっときたわ〜、何が?って?・・・今や「年齢確認」で大バズり中! こねこフィルムで大人気の女優、赤間真理子さんのこの言葉、
「死ぬときに、お母さん本当はやりたいことあったの って言われるの、一番かっこ悪いでしょ。」
…もう、そのとおりです。誰かのせいにしない。自分の人生、自分でオトシマエをつける、そうでなくっちゃ。私、できてるかな?
人生の大半の出来事は実は、自分の問題だった
それで思い出したのが、私、ウナギタレ子の折り返しエピソード。
最初に結婚したのは、夢を追うフリーターだったんだけど、その後、もう書けないくらいいろいろあって、収入なし、モラハラ、そして最後は、家もなくなり・・・
なんとかしようっていっつも尻拭いをしていたんだけど、ある時、気づいちゃったのよね。
それ、元夫の問題じゃなくて、私の問題だわ!って。そこからはトントン拍子で離婚、起業、再婚って・・・
今、思うと これは私の人生の接続を、私がし直すための「味変」だったんだろうな。
更年期はウェルビーイングの始まり
それにさ、私たち、ちょっとずつ変わってくるじゃない? 気力も体力も、まるで“おちょこ”くらいの容量になってさ。 でも、だからこそ、本当に大切なものだけがぎゅっと残るのよね。
子どものため、夫のため、職場のため。 ずっと「誰かのため」に生きてきた日々から、 ある日突然「で、あなたは何がしたいの?」って問われる。
それって…正直こわい。 でも、ワクワクもする。
誰かの人生じゃなく、自分の人生を生きること。 それって、ちょっと苦いけど、きっと一番「幸福」に近い味。
私もね、離婚を選んで、起業して、 日々「選択」という名のハードルをジャカジャカ跳び越えてきたわ。
住む場所も、食べるものも、 付き合う人も。どんな50代・60代・・・にしたいか?を軸に毎日を選ぶ。
それが今、「誰のものでもない自分を生きてる」って実感に繋がってる。
昭和の頃、女は“良き妻・良き母”が当たり前だった。ねるとん紅鯨団じゃないけど、「あなたをもらっていいですか?」みたいな時代よ? でも今は違う。
「私が、私を生きていい」時代になったのよ。
SNSの新星、しょ〜こさんも味添え
この本に登場する、SNSで大人気のインフルエンサー、しょ〜こさんもすっごくよかった。
「ものごとには表裏がある」って、それを経験して、じっくり味わって生きていく。
持ち家を手放して、団地暮らしに。 一見「失った」と見える出来事から、 自分の言葉で発信を始めて、今や大人気インスタグラマー。
彼女の「物事には表裏がある。だからこそ臆せず経験して、実感して、『今』を生きていきたい」という言葉に、 あぁ、そうよね…って、朝のコーヒー飲みながら納得。
洗濯物が風に揺れる団地のベランダ。 そこから発信された言葉の一つひとつが、 私たちの心の窓もふわっと開けてくれるの。
そうなのよ。裏と表、どっちも見て、味わってきた私たちだからこそ、 いま語れること、できること、届けられることがあるのよ。

高橋奈央さんは、加齢の味の道先案内人
『人生抜き返し図鑑』の「おわりに」には、高橋奈央さんのこんな言葉が載ってたわ。
「私の人生の抜き返し点は、たくさんの方々に支えられていると、 「誰かのちょっとした一言に救われたり、ヒントが見つかった経験が、この本を作ろうと思ったきっかけです。」
奈央さんってね、大手企業を辞めてフリーライターになって、 大病して、離婚も経験してる。
それって、もう昭和ならもしかしたら「詰んだ」レベルのイベントよ? でも彼女は、いつも笑ってんの。しかも爆笑してんの。
飲み会でも、誰よりもリアクション大臣だし。 どんな些細な話でも、「東洋の魔女」的な速さで拾ってくれる。で、また爆笑。
そんな彼女だから、この本の中の言葉に “強さ”と“あたたかさ”が両方あるんだなって思う。
加齢という名の香水を、今日もひとふり。
…とはいえ、「私、オバサンです!」なんて胸張って言うには、
まだちょっと照れるのもホンネで。
だから今日だけは、口紅をひと塗りして、
“加齢という名の香水”をふりかけて、
味しみしみの自分に、ちょっとだけウットリしようじゃない。
人生、折り返してからが、本番なんだから。
たぶん、それ、少し先の未来の私が笑いながら言ってる、はず。

[この記事を書いた人]ウナギタレ子・タレ美(Taleko/Talemi)
加齢応援マガジンUNATALE編集部
姉のタレ子1972年生まれ、妹タレ美1973年生まれの更年期姉妹。
夜な夜な子供部屋で聴いていた「オールナイトニッポン」が今の姉妹の人格形成に影響を与えている。「A面」よりも「B面」、「ゴールデン番組」よりも「タモリ倶楽部」を愛する、根っからの「裏面好き」。SNSには露呈しないウナタレ世代のリアルな叫びを届けたいと日夜、奔走している。
ポリシーは「Your nudge, no tale」(ウナギノタレ)=「理屈こねてないで動こうぜ」