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粋な大人は「酒器あそび」

今年は桜の開花がかなり早かったですね。

思いがけずに満開の桜に出会えたり、バッチリとスケジュールしていたのにすでに葉桜になっていた、という方もいらっしゃるのでは。

私、今年は「目黒川お花見クルーズ」なるものを体験しました。

これは8人乗りのクルーザーで、シャンドンのスパークリングロゼを飲みながら、船上から目黒川の桜を眺めるという企画。

昼と夜と運行していて、私は夜に参加したのですが、ライトアップされた桜はそれは見事。これぞ大人の花見だと思いました。 花見のスタイルも時代と共に変わるんですね。

ウナタレ世代はぜひ「器」にこだわって

さて、花見といえばお酒。 お酒といえば日本酒。

日本酒は季節や料理に合わせて、燗・ひや(常温)・冷酒など様々な温度でおいしく飲めるお酒です。

冬から春にかけては、ひやで。 夏は冷めたく冷やして、あるいはロックで。 冬は熱燗で。

こんな風に私たちは、四季の味をお酒の温度を変えて味わってきました。 そして、ウナタレ世代のあなたはには、ぜひ「器」にこだわっていただきたい。

スターバックスでコーヒーを飲むときも、テイクアウトの紙コップで飲むのと、店内でマグカップで飲むのとは、味がかわりますよね?

日本料理の世界でも、かの北大路魯山人は「器は料理の着物である」といっています。器によって季節感を演出し、料理の味さえ左右することができるのです。

私は、ご縁あって日本酒の器を扱うネットショップを運営しています。

どうしたら日本酒を美味しく飲んでいただけるかを考えて、器で日本酒の味わいが変わることを実感していただくための「酒器あそび」を考案しました。

日本酒を飲むための「酒器」は、飲み方の多様性や文化の中で、いろいろな材質や形状のものがあります。
素材別に見ると、陶器、磁器、ガラス、漆器、錫など。 素材による特徴が出やすいのは、手に持った時の感触と口当たりです。

はかないガラスの口当たり、土のぬくもり、どこかなつかしい漆の感触、ひんやりとした金属の触感。そこには、様々な世界が広がっています。 また素材によって温度変化の時間も変わってきます。

一般的に磁器やガラスは温度が上がりにくいので冷酒によく、陶器は保温性があるので燗酒に適しているといわれています。

そこで! 日本酒の銘柄にこだわるのもいいですが、器にもこだわっていただきたいのです。本当に味わいがかわりますよ。

おすすめの使い分けかたですが、まずお酒の味を純粋に楽しみたいなら、ガラスがおすすめです。薄くて無色透明なガラスは、なんといってもお酒を邪魔しないのです。

ガラスは涼しさも演出してくれますし、熟成酒やにごり酒、樽酒など、色に特徴のある酒を飲むときに、見た目でも楽しむことができます。

「ぐいのみ」ときいてまっさきに思い浮かぶのは陶器でしょうか。

土がもつ柔らかみがあり、素朴な形と自然の風合いが調和した陶器は、佐賀県の唐津焼、岡山県の備前焼などがあります。 手作りのものは、ふたつとして同じものが焼けないという貴重なものです。

陶器の高級品は、茶道に使用する茶碗です。「一楽、二萩、三唐津」が茶人に愛好されていました。茶碗はちょっと手が出せないかも、というときも、酒器ならリーズナブルだったりします。

  そして、「おちょこ」は磁器のイメージが強いでしょうか。

艶やかでフォルムが美しい磁器は、佐賀県の有田焼、石川県の九谷焼など、職人の技術を駆使した絵柄も印象的です。

また、磁器の「とっくり」で湯煎すると、温度の伝わり方が穏やかなので、まろやかな燗酒になるといわれています。  

金属製の酒器もあります。 口当たりがヒヤッとする金属は、熱の伝導性にも優れていて、注がれた日本酒の温度が保たれやすいという特徴があります。

また金属の種類によっては、イオンが酒の雑味をまろやかにするという説もあります。

日本酒で忘れてはいけないのが木でできた「枡(ます)」。

木製の酒器は、天然木のものから、漆を塗った伝統工芸品まで、昔ながらのぬくもりが伝わります。 枡や竹製品などのようにほのかな移り香を感じさせるものもあります。

ワイングラスは多くがガラス製ですよね。それに比べると日本酒の器はかなりバリエーション豊富です。

しかも、江戸切子、輪島塗などなど、日本には現在、経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」が全国に240品目あります。

酒器ならば、それらを気軽に手にとって使うことができます。 酒器は時間や空間を演出し、手のひらにのせて幸せを運ぶアイテムです。

手にのせた瞬間から、お酒の楽しみが始まります。そして、余裕がないと楽しめないのが、うつわ。

とっておきの器で、おいしいお酒を飲んで、しあわせ感じる時間を持ちませんか?

次回は酒器の形で味が変わる話を書かせていただきますね。

深野ちひろ


[この記事を書いた人]深野ちひろ(Chihiro Fukano)

大卒で13年間の会社員生活を経て独立、自分探しの旅のあと、起業して10年。ネット発信のサポートや、数秘を使ったコンサルを行う。現在は、アラカン女性のサードプレイスとなるべくオンラインコミュニティを主催。モンブランとシャンパンと京都が好きで、noteのスイーツランキングの記事が、プチバズり。
 ▼note https://note.com/chocolat22/

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