今生の課題
人生はいつどんな展開が待っているかわからない。今までも人生が変わるような展開が度々あったけど、もうこの先は今と同じ調子で生きていくのだろうと安心していたら、そうは問屋が下ろさないみたい。神様、試練をありがとう。
どうやら私の今生の課題は「家族」らしい。
薄々気づいてはいましたが、突然JKと暮らすことになって、改めて認識しました。私は他人とはとても上手くやれるのに家族とはどうも上手くできないのよ。親とか妻とかいう立場は苦手みたい。
今、2人の娘と淡白な関係なのも私が口うるさかったからで、要するに疎まれているのです。なにしろ何にでも完璧を目指す人間だったので、家族にとっては鬱陶しい存在よね。なので2人とも割と早く家を出たのですが、それはお互いのために良かったのだと思う。
近くに住んでいても付かず離れずでいるのは、それぞれのペースを保つのにちょうど良くて、本当に困ったときだけ頼られるという感じでここまで来ました。そのお陰でチャラチャラとフランス人との恋愛を楽しむことができたし、好きなときに好きなだけ絵を描くこともできたわけで。
でもそれだけでは私の今生の課題は消化できないらしい。1世代飛ばして難しい年頃の子を預かるというハードな試練が待っているとは、びっくりぽんですよ(古!)。
JKはシングルマザーの元に生まれ、母の結婚で苗字が変わって弟が生まれ、その結婚も破綻してまた苗字が変わり、母の再婚でまた環境が変わって弟が更に2人生まれて…と、たった17年の人生は結構過酷だったんです。それでもママが大好きでね。そのママに認めてもらいたいのに認めてもらえなくて、あんなに高かった自己肯定感がズタズタになってる。
考えてみたら、JKはうちで生まれて6歳まで暮らしていたくらいだから、私とは元々縁が深いのです。あの時二女から「妊娠しちゃった♪」と言われて、まず浮かんだのは不安だったなぁ。何しろ次女が成人式を終えたばかりの時で、やっと2人の娘を育て上げたと思った途端の妊娠。私はギリギリ40代だったけど、これからまた1から始めてちゃんと成人させられるんだろうかと思ったわよ。
でも生まれてみたら全然心配なんかなくて、喜びしかなかった。そして二女は何度も激しく方向転換しながら自力でここまでやってきた。それは凄いと思うのです。でも働くママは忙しい。次々と子どもが生まれる中、長女とゆっくり向き合う時間はなくて、一方的に文句を言うことしかしてこなかったのよね。傾聴が足りなかった。
私は今時間に余裕があるので、JKとゆっくり向き合うことができます。そして幸いにも今の住まいは2LDKと狭いので、彼女の様子がよくわかる。よく見てあげられる状態です。なので、大切にされていると体感できるように環境を整えながら、時に厳しく時に優しく、親の勤めを果たして行こうと思っています。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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