NEW TOPICS

  1. HOME
  2. ブログ
  3. COLUMN
  4. 大丈夫、なるようになるさ

大丈夫、なるようになるさ

今年の夏はあまりの酷暑で、暑さが一生続くのではないかと思ったくらいだったけど、あれほど暑かった夏もいつかは終わる。秋はちゃんとやってきました。どんなに暑くても立秋を過ぎると空は入道雲からうろこ雲に変わり、セミの合唱がコオロギなどの虫の音に代わる。地上がいつもの夏より暑かろうが寒かろうが、太陽の周りを回る地球の運航に合わせて季節はちゃんと巡っていく。自然の流れとはそういうもので、だからどんなに暑くても秋が来ることを信じられる。 

それと似たような感覚で私は自分がいつも「なるようになるさ」と思っています。68年も生きていればそりゃ色々あったけど、いつも自然の成り行きでなるようになってきたからね。そのマインドは、高度成長期真っ只中に育ち、90年代初頭のバブル崩壊までずっと右肩上がりの社会の中で生きてきたからかもしれないけど、バブルが崩壊した以降の30年もずっとなるようになってきたのは、物事は「なんとかなる」方向に流れていくものだからなのだと思う。意識が現実を創るなどといわれるけど、案ずる必要はないと信じていることは大事です。

それを一番感じているのは今。57歳で離婚したとき、住む場所だけを確保してもらって完全自立の生活になりました。それまでと比べて収入的には6分の1くらいになったけど、不思議と何の不安もなくもう10年以上好きなことをしながら面白おかしく暮らしている。多分この先もなるようになっていくのだろうけど、その秘訣はひとえに「なんとかなる」自分の運を信じているからです。宇宙の大河にぷかぷか浮かぶようにリラックスした状態で心身を緩めていると自然と行くべき方向に向かって行きます。私はただ「どこに向かっているのだろう」と観察しているだけで、何かに閃いたときにそれをパッと掴む感じ。 

中学生の頃、水泳部に所属していました。部活では最初にウォーミングアップとして800メートルを流します。競泳と違って流して泳ぐときは身体の力を抜いてただスイーッと泳ぐ。今思えばあれは瞑想みたいなものだと思う。何も考えないでただ流す。するといつまでも泳いでいられるような感じになるのだけど、その感じが「運命の流れに身を任せる」感覚と似ているなぁと思うのです。なんとかしようと力んで踏ん張ってというのではなく、リラックスしながら何かが来るのを待っている感じ。力むと途端に疲れて沈んでしまいます。 

私は「運は掴みに行くのではなく、向こうからやって来るもの」と思っています。どこに向かっているのかは自分でもわからないことが多いから、とりあえず来るものは拒まない。来たものにピンと来たらやってみる。そんな感じで生きていたら、始めたばかりの日本画でペットの肖像画を描くことになり、いつの間にかそれが仕事になって今の私がいます。それ、60代になってからのことですからね。Never Too Lateです。

更にこの度、ルーヴル美術館関係者と日仏の美術評論家の推薦で、後世に伝えるべきアーティスト「レトワール・デザール(芸術の星)」に推薦されたという連絡が出版社から来てビックリ。美術雑誌の特集ページに載って「レトワール・デザール(芸術の星)」の称号がもらえるんだって。そしてその本はルーヴル美術館に保管されるんだって。つまり私の絵(の写真)がルーヴル美術館に保管されるということです。万歳! 日頃からフランス、フランスと騒いでいたからMoMAではなくルーヴル美術館につながったのかもしれない。 

私は地位や名声が欲しいわけではないので公募展には興味がなく、その手のものに応募したこともなく当然ながら賞をもらったこともない。色んな人と作品が混ざるグループ展も好きではないから、個展か好きな作家さんとの二人展しかやったことがないんだけど、私は自分の絵が好きで誰かに届けたいといつも思っているので、「名のあるキュレーターとかギャラリストが私を見つけてくれないかなぁ」なんてぼんやり思っていたのです。そしたらルーヴル美術館の人が見つけてくれた。ありがとうございます!

つまりね、頭をかすめるちょっとした希望があって、だけどそれは一瞬かすめるだけですっかり忘れてただ日々を真面目に生きていると、いざという時に神様が持ち上げてくれるということなのだと思う。なるようになる。逆になるようにしかならない。私はこれまでに何度も何かに助けられたことがあるので「神様に養われている」と豪語しているんだけど、そういう神様は実は誰にでもいるのだと思います。みんなは情報にばかり目を奪われてそれに気づけないだけかも。だから情報に惑わされず余計な心配をしないで毎日を能天気に生きていると行くべき場所に連れて行ってもらえると思います。そのためにぜひ五感を磨きましょう。

やまざきゆりこ


[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ

娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。

墨絵&日本画 梨水
http://risui-sumie.sakura.ne.jp/wp/

◆コラムの感想やコラムニストへのメッセージはウナタレ 「友の会」コラムニストの部屋にて。
わかる、わかる!とコラムを読んで共感したあなた、友の会でお待ちしております。
コラムニストの部屋
https://tomonokai.unatale.com/category/columnist/

関連記事

人気記事ランキング