ウナタレ世代に必要なスキルは「独り遊び」
ひとり暮らし歴はかれこれ15年くらいになりますが、別れた夫の物を含め家族の荷物が満載だった前の家から今のマンションに引っ越してからが、本当のひとり暮らしという感じがしています。
自分だけの物しかない自分だけの世界。
徒歩でも行ける距離に長女が、3駅先には次女が住んでいるけど、お互いに忙しいので彼女たちと会うことは滅多にありません。依存度ゼロの娘たちのお陰で私も自由気ままに暮らしていけます。
私は寂しさに鈍感なので、ひとりでいることに孤独を感じないのですが、その大きな理由は「独り遊び」のスキルが高いからだと思うのです。
そもそもが絵描きとコピーライターをやっている上に、趣味はブログを書くことという根っからのインドア派。
昔はカラダを動かすのが大好きだったのに、今は家にいるのが大好き。
ひとりの時間には絵ばかり描いています。あと、海外ドラマを観るのも忙しい。時間の節約でドラマを観ながら絵を描くこともあるくらいです。
それだけではなく、根を詰め過ぎて疲れたときにはピアノを弾いて遊んだりします。
習っていたのは大昔なので、今では指が動かなくて思うように弾けないんだけど、それでも覚えている曲を音を探しながら弾いているだけで結構楽しくて夢中になる。
最近は弾き語りで遊ぶことも結構あって、あれこれ弾きながら歌っているとあっという間に2、3時間経ってしまいます。今うちにあるのは電子ピアノなので、音は大きくも小さくもできて、夜遊んでることもあります。
子供のころは、先生が怖くてピアノが嫌いだったんです。ずっとやめたいと思っていたけど母がやめさせてくれなくて、泣く泣く続けていたのです。
それが今となっては独り遊びの道具になっているのですから、習わせてくれた母に感謝です。
読書も好きだけど、本は受け身でしょ。どんどん自分の内側に入っていくものだからストレスの発散にはならない。それより能動的にアクションを起こすものの方が発散するにはいいですよね。
私は特に表現することに喜びを感じるタイプなので音を鳴らすのが性に合っているんだけど、アクションを起こすものだったら何でもいいのよね。
サプリのCMに出ている80歳の女性は、小学生に混じってヒップホップダンスを習い始めたんだって。
そんな大袈裟なものでなくてもいいから、独りで楽しめる何かを今のうちに趣味にしておくと、多分一生退屈しないと思うのです。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
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