カップルにとって大切なのは「食事とベッドの相性」
私は海外ドラマが好きなのですが、今ハマっているのがNetflixで配信中の「エミリー、パリへ行く」。
パリを舞台に仕事と恋に奮闘するシカゴ出身の主人公の日々を描いた海外ドラマ。
大好きなパリが舞台なので見ているだけでもうっとりするのはもちろん、アメリカ人の主人公とフランス人たちの感覚の違いが「いかにも」という感じで面白いのです。
私はフランス人が好きなのですが、どこが好きって捻くれたところが好きなのよ。
見聞きしたことをストレートに受け取らない、常に疑ってかかる、自分の主張を曲げない、というのはヨーロピアンに共通することなのかもしれませんが、フランス人はそれが顕著な気がします。このドラマでもそれがよくわかります。
元夫と別居するまでは、恋愛経験がほぼ1回だった私。別居したからには恋愛の1つや2つしないと気が済まないと思い、恋人を持つならフランス人と決めてマッチングアプリに登録しました。
なぜフランス人かは以前書いたので割愛します。
それで何人かのフランス人と付き合ったのですが、みなさんが気になるのは「日本人との違い」だと思います。
フランスは愛の国ですから、フランス人のイメージって「キレイだよ」って褒めてくれたり、花束を贈ってくれたり、年中愛を囁いてくれたり…という感じかもしれません。
また、仕事人間の日本人と違って、プライベートをうんと大事にするという印象もあるかもしれませんね。
しかし、実際は全然違う。
日本に住んでいるフランス人だから、ということもあると思いますが、第一にみんな忙しい。
会社員とも自由業とも付き合ったことがあるけど、会社員の彼は日本人のサラリーマンと同じでした。彼は物静かでおとなしい人だったから、余計に日本人みたいだった。
ほかの人たちはフランス人らしく捻くれてたけど、ドラマに出てくる男性のようにむやみに愛を囁いたりしてくれない。
人前でベタベタもしないの。花束もくれないし、イメージと違うじゃないの(笑)。日本人は元夫しか知らないけど、ベッドでもさほど変わらないと思うわ。ただ、耳元で「ジュテーム」と言われると痺れる。
あと、フランス人の好きなところは舌がいいところです。料理上手な人も多いし、ワインのことを語らせたら止まらない。さすがガストロのミーの国です。
私はカップルにとって大切なのは「共通の価値観」なんかではなく、究極は食事とベッドの相性だと思っているの。価値観なんて違っていいのよ。違いが面白いんだから。
でも、カラダが合わないと多分上手くいかない。食の好みが合わないと一緒にはいられない。私は、マックのハンバーガーが好物という人はムリです。だからアメリカ人はムリね。
「エミリー、パリへ行く」の中にも、アメリカ人とフランス人の感覚の違いがよく出てきます。
シカゴ名物の料理をフランス人たちが馬鹿にしたり、ミディアムレアの焼き方の違いの描写があったり。あと、複雑な男女関係もフランスらしいかもしれませんね。
結婚しているのに公然と恋人を持っていたりして、恋愛に対してどこまでも自由なの。
元彼と別れて丸3年。そろそろ新しいフランス人を探すかな。
[この記事を書いた人]やまざき ゆりこ
娘2人がまだ幼い30代前半のときに在宅ワークができるという理由でコピーライターになる。同時期に、伯母の勧めで書と墨絵を始め、以来文章を書くことと絵を描くことがライフワークに。6年前、思いつきで始めた日本画で色の世界にハマり、コロナ禍のおうち時間に身近な動物を描いていたらいつの間にかペットの肖像画家に。57歳で熟年離婚。現在はフリーペーパーのコピーライターをしながら、オーダー絵画の制作に勤しんでいる。着物好き、アート好き、美しいものが好きな1957年生まれ。
◆コラムの感想やコラムニストへのメッセージはウナタレ 「友の会」コラムニストの部屋にて。
わかる、わかる!とコラムを読んで共感したあなた、友の会でお待ちしております。
コラムニストの部屋
https://tomonokai.unatale.com/category/columnist/