見た目の老いより恐ろしい会話の老化
時が止まっている人たち
見た目の老いと同じくらい気になるのが、会話の老い。
情報感度の劣化。話す内容の老化。
昔より遥かにスピードが速いので、時代の変化が激しいので、現代のウナタレ世代はぼっさーとしてると、あっというまに置いてけぼりを喰らう。
50代メンバーが多めのプロジェクトで、みなさんがどれだけチャットツールを知っているか聞いてみたら、引くほど知らなかった。
チャットワーク→ギリわかる
Slack→なにそれ?
teams→ん?
こわいこわいこわい。Windows95で時が止まっていそう。
GoogleのサービスもGメールくらいしか使ってなさそう。
あまりに悲惨な状況だったので、ChatGPTの話をするのはやめた。
メタバースも無理だろう。
70代のふたり
以前住んでいた部屋の大家さん。70代前半。
確定申告をエクセルで行い、PayPayもバッチリ使いこなしている。
「さとちゃん教えてー」と呼ばれることもよくある。
家電量販店や携帯ショップに行ったら、店員さんを捕まえて質問してるみたい。えらい。
反対にウチの母親。同じく70代。
新しいモノが苦手で、昔はテレビの録画も自分でできなかった。もしかしたら今もそうかも。やば。
犬猫が出てくる番組が好きなので、Youtubeで無限に見られることを教えたけれど、「操作が難しいからいい」と拒否。覚える気ゼロ。
大家さんとウチの母。
なにがいちばん違ってくるかわかりますか?
会話力が違ってきます。
常に新しいものに挑戦している大家さんは、とにかく会話がおもしろい。
新しいものを触らないウチの母が話すことは、ご近所の噂話と近所の猫の話。とにかく会話がだるい。なので実家には寄り付きません。会話が続かないから。話していてもひとっつも面白くないんで。
身を置く環境も大事
20代の頃から携帯まわりの仕事をしていたので、同年代と比べるとだいぶ詳しいし、いまもウェブ制作まわりの仕事なので、新しいサービスの情報は自然と入ってくる。
一緒に働く人たちも、20代〜30代がほとんどなので、彼らが何に興味を示しているかもだいたい把握している。
「たまたま」ではなく、わざとそういう環境に身を置いている。
そうじゃないと、あっという間に置いてけぼりを喰らい、新しいことを何もしらない、つまらない会話しかできない50代になってしまうから。
母親を見ているので、会話がつまらなくなり、人として魅力がなくなるのは、表情筋がたるむ以上に恐怖。
安心安全ゾーンにいると劣化する
子供の頃、自分のまわりでいちばん話がおもしろいのが母親でした。
一日中ラジオを聴きながら家で内職をしていた母は、とにかく情報感度が高くて、なんでも知っていて、ラジオアナウンサーの影響なのか頭の回転も速くて、話が抜群におもしろかった。
子供っぽい話しかできない同級生たちといるよりも、さっさと家に帰って、母親と話したいと常に思っていた。
そんな人だったのに。娘が憧れる会話力の持ち主だったのに。人は簡単に劣化する。
歳を取ると新しいものに触れるのが、ものすごーく億劫になるそうです。自然とそうなるんだそうです。いかに抗えるか。
新しいことを知る、触ってみる、新しい場所に身を置く。
チャレンジを怠り、安心安全ゾーンでぬくぬくしていると、みるみる劣化する。
私はいや。絶対にいや。会話が劣化するのはいや。
みなさんはどっち?
気になりますか?気になりませんか?
会話力の劣化。
私が憧れている人は、亡くなったとき、リリーフランキーに「樹木さんがいない。自分の場所はつまらなくなった」と言わせた樹木希林さんです。
[この記事を書いた人]さとちゃん(SATO-CHAN)
1973年早生まれ ウェブまわり仕事のフリーランス、ブロガー
オーシャンビューな部屋で猫とふたり暮らし
性格→意地悪
茅ヶ崎カーストについて赤裸々に書きすぎて炎上したブログはこちら
https://ouchigohan.club/chigasaki/3121
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