親からの愛情 親への愛情(後編)
結論から言うと、来月から実家に戻り、母と祖母と暮らすことにしました。
我が実家の状況
祖母(母の実母)99歳。母74歳の二人暮らし。
祖母は要介護2レベルの認知症。
要介護3までいかないと、特養(特別養護老人ホーム)にエントリーすらできないらしく、現在は週3回のデイケア&ときどきショートステイ。
そして、わたしの見立てでは、母74歳はおそらくアルコール性認知症初期。
父が亡くなったときに「遺族年金もらえるし、もう働かなくていいでしょ」と、不動産屋のパートを退職。このときまだ60代。
その後、ボケ防止のためにやっていた内職も、重たい段ボールを運んで腰を痛めて辞めた(らしい)。
そんな母の現在の生活がなかなか痺れる。
6時前:起床→前日の洗い物、洗濯掃除などの家事
7時:家事をすべてやり終えて、朝食を取りつつ新聞を読む
8時:すでにやることないから、クロスワードパズルなどチマチマやりつつ、時間を持て余す
10時:ストロングゼロ500mlを飲み始めつつ、テレビ見ながら昼食など
13時:昼寝
13時以降は知らないけれど、夕方くらいに風呂に入り、また飲み始めて、夕飯取りつつテレビを見て、20時就寝と思われる。
ちなみに初期認知症(疑い)の主な症状は以下のとおり。
感情のコントロールが効かない
- やはり同居するのは嫌だ、帰ってこないでほしいと言って泣き出す
- なんで子供の世話にならなくちゃいけないんだと言って泣き出す
- 祖母の面倒を見させるのは申し訳ないと言って泣き出す
- でも私の部屋をせっせと片付けていて、電気のアンペアも増やしてた(どっちやねん)
- 私の飼っている黒猫がやって来るのが楽しみすぎて、すでに猫トイレの場所を確保(だからどっちやねん)
記憶のフラッシュバック
- 以前から祖母(母の実母)を嫌っていたが、嫌悪感情がさらに爆発
- なんで死なないんだろう?早く死ねばいいと思わない?と家族に共感を求めるも、「思わない」と告げると不服そうな顔をするw
- なんでそんなに嫌いなの?子供の頃に虐待でもされたの?と聞いてみたところ、虐待された過去はなく、祖母がいかに性格が悪いかを物語る昭和20年代エピソードを先週の出来事のように語り出す(記憶鮮明すぎだろ)
記憶力の低下、記憶違い(思い込み)
- 父の命日を間違えて記憶
- 以前、私に向かって「更年期障害は遺伝だから(ホントか?)あなたは更年期障害にはならない。おばあちゃんとママに感謝してほしい」と言っていたので、おかげさまで私は更年期障害になってないよーと伝えていたのだが、謎に「ウチの娘は更年期障害」だと思い込んで、弟夫婦にも吹聴。
・・・そうなんです。
ここまで読んで、みなさんお気づきでしょう。相当めんどくさい状況なのです。
「メンタル不調の人(=メンヘラ)」「自分で自分のご機嫌を取れない人」が苦手で、仕事でもプライベートでも、なるべく近づけないように注意してきたというのに。
なんでわざわざメンタル絶不調の母親と暮らさねばならないのか。
答え:親だから
迷ったときはスピな人に相談だ
私たち世代の母親なんて、ワンオペ中のどワンオペ世代。
なぜあの日、ワンオペツーキッズママに遭遇したのか。
「こんなふうにして育ててもらったんだな」
そう感謝するために決まっている。神様ありがとう。
でもね、でも足りない。
さすがのわたしもちょっと自信がない。
たぶんきっと、わたしが思考を変えないと、ミイラ取りがミイラになる未来が容易に見える。
そう思って、私のスピリチュアルの先生にランチ面談を申し込んだ。
以下、いただいたありがたいアドバイス。
- お母さんを無理に変えようとしてはいけない
- 実の母を憎むお母さんに、その考えは良くないよ、親を憎んではいけないよと、正論をふりかざしてはいけない
- なぜなら「実の親を憎むこと」が、お母さんのこの世でのカルマなのだから
- お母さん自身が「変わりたい」と言ってきたら、手を差し伸べてあげればいい
- それまでは、寄り添いはしても、情報は与えても、無理に変えようとしてはいけないよ
あざす。いやまじでそれ大事。
あなたに面談アポを取ったわたし、天才か。
いくつかのわかったこと
母と3時間かけて話をした。母の話を聞いた。
こんなにじっくり話をするなんて、いつぶり?小学生ぶりかもしれない。
エレクトーン教室をやめたいと、泣いて訴えたとき以来かもしれない。いつだよ。
もしかしたら、アルコール性認知症かもしれないよ、というのを伝えた。
診察は受けたくないという。そうだろうね。お酒やめなきゃだもんね。
祖母の愚痴や悪口が止まらないのは、「親を憎んではいけない、親を悪く言ってはいけない」という思いが強いからだというのがわかった。だから誰かに共感してもらいたい。自分以外の誰かに祖母の悪口を言ってほしい。それを否定しながら聞いていたいんだ、本当は。
そして、ものすごーく自己肯定感が低いというのもわかった。
父が生きていた頃、同居を希望した弟夫婦に対して、NOと言ったのも、「いまは仲良くできているけれど、いつか嫁いびりをしてしまうかもしれない」という恐怖心からだった。
凄まじく繊細で臆病。
他者との密なコミュニケーションを嫌うくせに、人一倍寂しがり。
すべてわたしも持ち得ている素養だけれど、母の方が濃い。
わたしも濃かったのかもしれないが、仕事で揉まれに揉まれているうちに薄まったのかもしれない。
臆病で世間に揉まれることから逃げてきた母を不憫に思う。
修行に行ってまいります
あの日のワンオペママさん、私は素敵だなと思ったんだよね。
幼い子供に対して、上から命令するんじゃなくて、お願いというか懇願というか、提案するみたいな話し方だった。
あの状況でテンパりまくっているだろうに。すごいな。
子供を授かるご縁がなく、父親の介護もする必要がなかったので、50年も生きてきてるのに人間の面倒を見たことが一度もない。
そんな私にようやく役目がまわってきた。
祖母の送り出しと迎え入れのサポートを母の代わりにやらせてもらう。
話を聞いたら、保育園の準備みたいな感じだった。おもしろそう。いや、保育園送り迎えの経験もないんですけどね。
そして母のメンタルを支えることで、わたし自身が成長できる気がしている。
大きく成長できる気がしている。
ああ、ここかー
ここなんだねー
ということで、「めんどくせえ、まじめんどくせー」の気持ちを振り払い、はりきって修行に行ってまいります!
みんな応援頼む。
[この記事を書いた人]さとちゃん(SATO-CHAN)
1973年早生まれ ウェブまわり仕事のフリーランス、ブロガー
オーシャンビューな部屋で猫とふたり暮らし
性格→意地悪
茅ヶ崎カーストについて赤裸々に書きすぎて炎上したブログはこちら
https://ouchigohan.club/chigasaki/3121
◆コラムの感想やコラムニストへのメッセージはウナタレ 「友の会」コラムニストの部屋にて。
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